従業員持株会に入るべきか?
従業員持株会(社員持株会)については「加入すべきか・加入すべきでないか」定期的にご質問をいただきます。
今回は「従業員持株会に入るべきか?」について、私の考えを記事にしたいと思います。
結論
結論は以下です。
- 奨励金が10%以上出る場合、上限金額まで購入するべき
- 単元株数に達したらすぐに売る
- ただし、引き出しや売却のハードルが非常に高い場合は加入するべきではない
理由
詳細を説明していきましょう。
まず「奨励金が10%以上出る場合、上限まで購入するべき」理由です。
従業員持株会で奨励金が出る会社は多く、5%か10%の奨励金を出しているところが多いようです。この奨励金というのは何もしなくても得られるため、こんなに美味しい取引は他に無いほど有利な取引です。これを享受しない手はなく、10%以上の奨励金が出る場合は上限まで購入をオススメします。
一方、5%ですと持株会からの出庫の手間や売却コストなどデメリットを考えた場合、進んで購入するほどではないと考えます。奨励金が無くても購入したいと思える会社なのであれば、検討してみてもいいでしょう。
次に「単元株数に達したらすぐに売る」理由です。
従業員持株会の一番のリスクは、給与所得も株の資産も一つの会社に依存してしまうということです。
このリスクについて、有名な具体例ですと、山一證券や東京電力が挙げられます。
山一證券は破綻前に社員に対し自社株を買うよう勧めていたという有名な話があります。しかし最終的には破綻し、社員は職を失い、持株会で購入した株も同時に無くなりました。
東京電力については、原発事故が発生するまでは安全な株を代表する銘柄で、従業員持株会で自社株を購入している社員の方も多かったようです。しかし、原発事故が発生したことにより株価は暴落、一時は倒産も囁かれました。社員は、給料も減り、持株会で購入した株の資産は暴落しました。
もし勤めている会社が破綻や業績が悪化した場合、給与所得が断たれたり減少します。もし従業員持株会で自社株を購入していた場合、さらに金融資産も毀損する最悪な状況に追い込まれてしまします。
このリスクを避けるため、「単元株数に達したらすぐに売る」ことをオススメします。
つまり、奨励金という大きなメリットを享受しつつ、単元株数に達したらすぐに売ることで、給与所得と金融資産を同時に失うリスクを下げることができます。
また、「引き出しや売却のハードルが非常に高い場合は加入するべきではない」です。
まとめ
・奨励金が10%以上出る場合、上限金額まで購入するべき
・単元株数に達したらすぐに売る
・ただし、引き出しや売却のハードルが非常に高い場合は加入するべきではない
関連ツイート
従業員持株会はやるべきですか?
と先日質問されました。私の答えは、
奨励金があるのであれば、入って上限金額まで購入すべき
です。
— ハル@SPYD3,079株 (@haru_tachibana8) November 4, 2019
持株会のリスクは、会社が傾いた時に、給料と持株の資産が同時に下落することなので、単元株数に達したらすぐに売ることで、リスクを下げられます。
一方で10%の奨励金のリターンはリスク無しで受けられる、ものすごく有利な特典なので享受しない手はないです。
— ハル@SPYD3,079株 (@haru_tachibana8) November 4, 2019
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