株へのフルインベストメントは有りなのか?

考え方・思考

「株へのフルインベストメントは有りだと思われますか?」というご質問を何人かの方からいただきましたので、今回は株へのフルインベストメントについて私の考えを書きたいと思います(ただし、今回はレバレッジは用いない場合の話に限定。おそらくほとんどの方はレバレッジを用いないとは思いますが)。

結論は、「株へのフルインベストメントはせず、10%〜20%程度債券を組み込むのをオススメします」です。

ただし、資産が数百万円程度の場合は、ポートフォリオの割合を考える時間や手間、手数料などを考慮すると、株へのフルインベストメントも有りだと考えます(ポートフォリオの割合を考えている時間で、株や債券に投資するためのお金を稼ぐことを考えた方がいい)。

株へフルインベストメントするというのは、リターンを最大化したい場合に取る戦略だと思いますが、リターンを最大化したい場合でも、10%〜20%程度の債券の組み込みをオススメします(レバレッジを用いる場合を除く)。

理由は、「株へフルインベストメントする場合」も、「10%〜20%程度債券を組み込む場合」も、期待されるリターンが同じにもかかわらず、損失を出す確率は「株へのフルインベストメント」の方が高くなるからです。

アセットアロケーションの最適化」という本で分かりやすく説明されており、そこで使用されている図(現実的な統計量になるように調整している点は注意)を引用して説明したいと思います。

以下は、1928〜2016年までの米国株と債券の年次リターンを、20年間を期間とした標本データについて、ブートストラップ法という手法で算出したものです。

各ポートフォリオの株と債権の割合は以下の通りです。

・株式のみ:株100%、債券0%(株へフルインベストメント)
・幾何平均が最大のポートフォリオ:株80%、債券20%
・妥協ポートフォリオ:株60%、債券40%
・シャープレシオが最大のポートフォリオ:株32%、債券68%

1列目の「メジアン」と記載された列は、抽出した全てのデータのリターン(幾何平均の平均)を示したものです。2列目は「最悪の5%のケース」で、平均リターンがその値よりも悪いことを示しています。3列目は20年でポートフォリオが「損失を出す確率」を示しています。

注目すべき点は、「株式のみ:株100%、債券0%」の場合と「株80%、債券20%」の場合の期待されるリターン(抽出したデータの幾何平均の平均)が同じという点です。そして「株80%、債券20%」のポートフォリオの方が、債券が組み込まれることで、もちろん最悪の損失は悪くなく、損失を出す確率も低くなります。つまり、債権を20%組み入れた方が、リターンは一緒なのに、リスクが低いということです。

そして、以下の図は、債券を組み入れた場合のリターン(幾何平均)を示したものです。横軸が債券の組み入れ率で、縦軸がリターン(幾何平均)です。

図の通り、債券の組み入れが0%〜20%までほとんどリターン(幾何平均)が変わらないことが分かると思います(10%ぐらいが一番幾何平均が大きく見えます)。つまり、繰り返しになりますが、10%〜20%の債券を組み込むことで、リターンを変えず、リスクを下げることが出来きるため、株へのフルインベストメントする意味が無いという結論になります(今回「アセットアロケーションの最適化」のデータと図を利用しましたが、期間など変えて検証しても同様)。

以上、最大のリターンを求める場合も、「株へのフルインベストメントはせず、10%〜20%程度債券を組み込むのをオススメします」というお話でした。

最後に、ウォーレン・バフェット氏の言葉を引用して終わりたいと思います。ウォーレン・バフェット氏が、自分の死後に備えて、奥様に伝えた言葉です。

資産の90%はS&P500、残り10%は政府短期国債に投資せよ

ウォーレン・バフェット

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